
友人に貸した物が返ってこない。催促しても「忘れてた」で済まされ、もう何ヶ月も経っている。放置すると証拠が薄れ、後から動こうとしても手遅れになるケースがあります。結論から言うと、借りた物を売却・処分した場合や、最初から返す気がなかった場合は、刑法上の犯罪に問われる可能性があります。ただし、単に「返すのを忘れていた」だけでは犯罪とはなりにくいため、ここからケース別に整理します。
借りパクは犯罪になる?
【結論】借りパクは法律上「横領罪」などに問われる可能性があります
借りた物を返さない行為は、状況によって刑法上の犯罪に該当します。特に、借りた物を自分の物として売却・処分した場合は横領罪が、最初から返すつもりがなかった場合は詐欺罪が成立する可能性があります。ただし、すべての借りパクが犯罪になるわけではなく、「返す意思の有無」が判断の最大の分かれ目です。
どこからアウト?違法になる決定的な境界線
| 状況 | 判断傾向 |
|---|---|
| 借りた物を売却・質入れした | アウト寄り |
| 催促を無視し続け、連絡を断った | アウト寄り |
| 催促に「忘れてた」と答えるが返さない | ケース次第 |
| 返す意思はあるが連絡が途絶えている | セーフ寄り |
境界線は「形式」ではなく「実態」で判断されます。「忘れてただけ」と口で言っていても、何度催促しても返さない・連絡を意図的に無視するといった行動が積み重なれば、返す意思がないと評価される可能性があります。逆に、本当に返すつもりがあって一時的に連絡が取れなくなっただけであれば、犯罪の故意が認められにくいです。
よくある5つのケース別・白黒ジャッジ
- 借りた物を売った・メルカリに出品した
- 「返す」と言いながら半年以上経過している
- 催促のLINEを既読スルーしている
- 引っ越して連絡先を教えなかった
- 「もらったと思ってた」と主張を変えた
アウトになるケース①:借りた物をフリマアプリで売却した
友人から借りたゲームソフトやブランド品を、フリマアプリで出品・売却した場合、これは他人の物を自分の物として処分した行為にあたります。横領罪(刑法第252条)の構成要件を満たす可能性が高いケースです。
例えば、友人から借りたジャケットを「もう着ないから」とメルカリに出品し、売上金を受け取った場合、友人の所有物を無断で処分したことになります。
アウトになるケース②:最初から返す気がないのに「返す」と言って借りた
「来週返すから」と言って借りたが、借りた時点で返す意思も能力もなかった場合、相手をだます行為(法律用語で欺罔行為といいます)として詐欺罪(刑法第246条)が成立する可能性があります。お金の貸し借りでこのパターンが問題になることが特に多いです。
グレーケース①:催促しても「忘れてた」で返ってこない
このケースが最も判断が分かれます。「忘れていた」が本当かどうか、つまり返す意思があったかどうかが争点になります。判断が分かれる理由は、「忘れていた」という弁解が真実である可能性を完全に否定することが難しいためです。ただし、何度も催促しているのに毎回「忘れてた」で済ませ、実際に返す行動を一切取らない場合は、返す意思がないと評価されアウト寄りに傾く可能性があります。
グレーケース②:引っ越して連絡が取れなくなった
引っ越し自体は犯罪ではありませんが、借りた物がある状態で意図的に連絡先を変えて逃げた場合は、返す意思がないという判断材料になります。単に引っ越しで連絡が途絶えただけであれば、故意の認定は難しいです。判断のカギは「意図的に連絡を断ったかどうか」です。
セーフになるケース:借りた物を壊してしまったが弁償の意思はある
借りた物を不注意で壊してしまい、弁償についても話し合いの途中にある場合は、横領罪には該当しにくいです。この場合は民法上の損害賠償の問題として処理される傾向にあります。ただし、故意に物を壊した場合は器物損壊罪(刑法第261条)の問題になる可能性があります。
一番多い勘違いが「返すつもりはあるから大丈夫」ってやつ。でも、何ヶ月も催促されて実際に返してなければ、その「つもり」は口だけだと評価されるケースがある。まず今日、返すか催促に応じるか、どちらかだけ動こう。
証拠がない・確証がない場合の第一歩
「自分のケースが犯罪にあたるかわからない」「証拠らしい証拠がない」という方も多いでしょう。まずは、LINEやメールで相手に「○月○日に貸した○○を返してほしい」と送ることから始めてください。相手の返答(「忘れてた」「来週返す」等)も含めて、やり取りのスクリーンショットを保存しておけば、それ自体が証拠になります。
証拠がないと後から請求や交渉が難しくなる可能性があるため、まず記録を残すことが最優先です。次にやるべき行動は証拠の確保と具体的な催促です。実際の手順はこちらで整理しています(→借りパクされた物を取り返す手順と証拠の集め方)。
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- 次にやるべき行動は証拠の確保です → 借りパクされた物を取り返す手順と証拠の集め方

