勝手に写真を公開されて訴えた実例!肖像権侵害の慰謝料相場とは

肖像権侵害 裁判例と慰謝料相場

SNSで自分の顔写真を勝手に載せられたとき、「これって裁判で勝てるのかな?」「訴えたらいくらくらい請求できるの?」と疑問を抱く方は少なくありません。

ネット上のトラブルを巡っては日々多くの裁判が行われており、「どんな状況なら侵害として認められるのか」の傾向がデータとして蓄積されています。実際のケースに基づく肖像権侵害の判断傾向と、慰謝料相場について解説します。

肖像権侵害の慰謝料相場

結論から言うと、一般人の肖像権・プライバシー権侵害が認められた場合の慰謝料(精神的苦痛に対する賠償)の相場は、数十万円程度となるケースが一般的ですが、状況によって変動します。

ただし、一定のプラス要素・マイナス要素によって、裁判所が判断する損害額は大きく変動します。

    【金額が上がりやすい(悪質な)要素】

  • リベンジポルノなど裸や下着姿の写真だった
  • 本人の仕事や社会生活(勤務先や通学先への影響)に実害が生じた
  • 削除要請を無視して拡散され続けた

実例傾向①:侵害が認められた(会社が負けた・相手方が敗訴した)ケース

肖像権・プライバシーの侵害が明確に認められ、損害賠償請求が通ったケースに共通するポイントを見てみましょう。

無断撮影+嘲笑目的による公開

電車内や街中で一般人の顔を正面から無断撮影し、容姿や服装をからかうようなキャプション(「変な人がいた」など)とともにSNSへ投稿した事例です。本人の同意がないことに加え、「公表しない正当な利益」を著しく損ない、かつ社会的評価を不当に下げるため、侵害が認められました。

同意範囲を超えた写真の二次利用

結婚式やイベントでお互い合意のもと撮影した写真を、後日、本人に無断で自社のプロモーション等(広告目的)でウェブサイトに掲載してしまった事例です。撮影には同意していても「不特定多数に向けた広告等への公開・利用」には同意がないため、アウトと判定されました。

実例傾向②:侵害が否定された(訴えが退けられた)ケース

逆に、「写真をアップされた」と訴えたものの、裁判所が「違法ではない(侵害には当たらない)」と判断したケースも存在します。これは受忍限度(我慢すべき範囲内)とみなされるパターンの典型です。

風景の一部としての「写り込み」

有名な観光地やイベントの風景を撮影した動画・写真の中に、たまたま背景として人物が小さく写り込んでおり、それが公開された事例です。撮影のメイン被写体ではなく、画質やサイズから個人を強烈に特定するほどのインパクトがないことから、違法性は否定(セーフ寄りの判定)されました。

すでに広く公知となっている情報の転載

過去に本人が自ら完全にオープンな状態でSNS等へ公開していた顔写真を、別のユーザーがそのまま引用(転載)等した事例について、追加のプライバシー侵害を認めなかった判断傾向があります(※別途、著作権等に関する争いは生じる余地があります)。

「裁判をすれば必ず大金が取れるし相手は人生終了だ!」と息巻く人もいるけれど、現実は冷静です。一般人の顔写真アップによる慰謝料単体の額だけで弁護士費用を取り返せるかというと、厳しいケースもある(コスト倒れ:獲得できる賠償金よりも弁護士費用の方が高くなってしまうこと)。それでも戦って「削除と謝罪を勝ち取る、二度とやらせない」という目的を第一に置くことが、ネットでの防衛戦(権利を守るための対応)を折れずに進めるコツなんだ。

まとめ

SNSの写真無断公開をめぐる裁判は、相手を懲らしめるだけでなく「元の生活の安心を取り戻す」ためにあります。

  • 慰謝料相場は数十万円程度だが、状況の悪質さによっては増減する
  • からかい目的や、私生活への重大な影響があるものは侵害が認められやすい
  • 「コスト倒れ(獲得できる賠償金よりも弁護士費用の方が高くなってしまうこと)」のリスクも考慮し、弁護士と事前に費用対効果を相談することが不可欠

ご自身の写った写真がどの程度悪質に利用されているか迷う場合は、一人で抱え込まずに法的知識のある専門家へ早めに相談することで、状況に応じた具体的な相場感や勝ち筋が見えてきます。

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参考法令・関連情報

当サイトのコンテンツは、公的な法令および裁判例等に基づき、専門用語をわかりやすく解説する目的で編集部が作成したものです。個別の法的トラブルに関する正確な法的判断については、必ず弁護士などの専門家へご相談ください。

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