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憲法の意味による分類

 

形式的意味の憲法

 

形式的意味の憲法とは、憲法という名前で呼ばれている成文の法典を意味します。つまり、存在形式だけに着目して、内容がどのようなものであるかは問いません。イギリスは主要国で唯一、憲法が法典として存在しない国です。

 

 

実質的意味の憲法

 

実質的意味の憲法とは、憲法の存在形式は問わず、内容に着目した場合の概念です。実質的意味の憲法には、さらに「固有の意味の憲法」と「立憲的意味の憲法」に分類されます。明治憲法下の皇室典範は実質的意味の憲法には当たりますが、形式的には憲法ではないため、上記の形式的意味の憲法には当たりません。

 

皇室典範:皇室に関する規律を定める法

 

 

固有の意味の憲法

 

国家のあるところには、国を治めるために必ず統治の仕組みがあります。よって、国家統治の基本を定めた法が固有の意味の憲法です。この意味の憲法は、どのような社会でも存在すると考えられます。

 

立憲的意味の憲法

 

近代市民革命により、絶対王政を倒して国家による個人の自由への干渉を制限し、国民の権利を保障するという内容をもった憲法です。つまり、権力を制限することで国民の自由を保障するための法を「憲法」とすることです。また、立憲的意味の憲法は、近代になってみられるようやなったことから、近代的意味の憲法とも呼ばれます。ちなみに、立憲的意味の憲法は、日本国憲法の基本原理となります。

 

形式的・実質的憲法の意味 

 

 

憲法の形式による分類

 

成文憲法

 

法律が法文によって記されているもの。日本国憲法を含め、多くの国の憲法は成文憲法です。

 

 

不文憲法

 

憲法が法文により記されていないものや、一つの憲法典としてまとまってないものです。よって、形式的意味の憲法を持つ国が成文憲法の国であり、持たないのが不文憲法の国になります。つまり、イギリスの憲法は不文憲法です。

 

 

憲法の性質による分類

 

硬性憲法

 

憲法を改正する手続が、通常の法律よりも厳格によらなければ改正ができない憲法です。日本国憲法を含め、多くの国の憲法は硬性憲法です。

 

 

軟性憲法

 

憲法を改正する手続が、通常の法律と同じ手続で改正することができる憲法です。

 

 

憲法の制定権力による分類

 

欽定憲法(きんていけんぽう)

 

君主主権の国で、君主が制定権力となって制定された憲法をいいます。明治憲法は欽定憲法です。

 

 

民定憲法

 

国民主権原理に基づき、国民が制定権力となって制定された憲法をいいます。日本国憲法は民定憲法です。

 

 

 
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