基本的人権の本質
基本的人権は、人類の長年にわたる自由獲得の苦悩のなかで歴史的に形成され、現在において人が生まれながらにしてあり、侵すことのできない権利とされています。
よって、基本的人権は、人が人であることについて、どんな人でも当然にある権利となります。
そこで、日本国憲法は、基本的人権を侵すことは許されないとして、権利を保障しています。
基本的人権の分類
基本的人権には様々なものがあります。よって、以下の項目のような分類が可能です。
なお、人権の分類は絶対的なものではなく、相対的です。
例えば、社会権は、国家に積極的な配慮を求めることができる社会的な側面があります。
しかし、国家による不当な制約があった場合は、その排除も求めることができる自由的側面もあります。
つまり、絶対的な分類であれば社会権の要求で完結しますが、相対的な分類だとそこだけで終了せず、自由権の要求も認めている、となります。
よって、人権の分類は、複合的な性格を持つ権利があるため、相対的分類法を採用しています。
総則的権利
法の基本原理となる権利です。
・幸福追求権(13条)
・法の下の平等(14条)
自由権
国家権力の介入を排除して、個人の自由を確保する権利です。「国家からの自由」ともいわれます。自由権は、さらに3つに分類されます。
@精神的自由権
精神的自由権とは、個人の精神活動における自由権です。
・思想および良心の自由(19条)
・信教の自由(20条)
・表現の自由権 (21条)
・学問の自由(23条)
A経済的自由権
経済的自由権とは、個人の経済活動における自由です。
・居住・移転・職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由(22条)
・財産権の保障(29条)
B人身の自由
人身の自由とは、人の身体を不当に拘束防止の自由権です。
・奴隷的拘束および苦役からの自由(18条)
・法廷手続の保障(31条)
・刑事手続に関する人権保障(33?39条)
積極的権利
国家に、積極的活動を請求する権利です。「国家による自由」ともいわれます。積極的権利は、さらに2つに分類されます。
@社会権
社会権とは、個人の生存や生活の維持・発展に必要な整備を、国家に要求する権利です。
・生存権(25条)
・教育を受ける権利(26条)
・勤労の権利(27条)
・労働基本権(28条)
A受益権
受益権とは、権利保護のために、国家の積極的な行動を請求できる権利です。「国務請求権」ともいわれます。
・請願権(16条)
・国家賠償請求権(17条)
・裁判を受ける権利(32条)
・刑事補償請求権(40条)
参政権
国民が、政治に参加する権利です。
・公務員の選定罷免権(15条)
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