役に立つ法律の情報・実用法学-行政法、民法など、大学課程の法学

強制手段とは

 

行政の効力が実効性を持つための手段として、行政権自身による実力の行使により将来にわたり行政上に必要な状態を実現する「行政法上の強制執行」、行政上の義務違反者に対して制裁としての刑罰を科して義務の履行を図る「行政罰」があります。また、やむを得ない事情により義務を課さずに強制力を行使することを「即時強制」といいます。

 

例えば、課税処分として金銭支払い義務を課したが履行されない場合、行政庁が自らの手で強制執行(土地差し押さえなど)をすることによって課税義務の実現を果たすことを「行政法上の執行執行」といいます。
また、法令で禁止されている無免許運転を行った者に対しては刑罰が科せられ、それを「行政罰」といいます。
このように、行政行為や法令により課された義務を履行しない場合に、効果の実現のため一定の強制手段が行使されます。

 

しかし、一方で、周辺が木造建築物ばかりの区域で火事が発生した場合、隣にどんどん燃え移ることで火事による被害が深刻になりそうなときは破壊消防として建物を取り壊す場合(燃え移らないようにするため)があります。
このように、義務づけを行わずに直ちに行政力を行使する場合を「即時強制」といいます。

 

つまり「行政法上の強制執行」「行政罰」について簡潔にいうと、行政には国民に「?動いて欲しい」という思想があり、それによって事前に義務を課します。
しかし、国民がその通りに動かない場合には何ができるか?

 

それが、
@【将来に】強制的に動かす(行政法上の強制執行)
A【過去の行いに】罰を与える(行政罰)
ということです。

 

一方で被害の拡大防止等のような、事前に義務を課さずにいきなり強制的行為をされることを「即時強制」、となります。

 

以上のように行政法上の強制手段には、「行政法上の強制執行」「行政罰」「即時強制」があることがわかりました。
この3つの中でも、やり方がさらに別れますので以下の全体像を把握必要となります。

 

ちなみに、「行政法上の強制執行」と「即時強制」はどちらも強制力があるため、まとめて「行政強制」といわれます。

 

行政上の強制手段

 
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